古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

『風をつかまえた少年 14歳だったぼくはたったひとりで風力発電をつくった』ウィリアム・カムクワンバ、ブライアン・ミーラー/池上彰解説、田口俊樹訳(文藝春秋、2010年)



風をつかまえた少年

学ぶことの本当の意味を教える感動の実話!


 アフリカの最貧国、マラウイを襲った食糧危機。食べていくために、学費が払えず、ぼくは中学校に行けなくなった。勉強をしたい。本が読みたい。NPOがつくった図書室に通うぼくが出会った一冊の本。『風力発電』。風車があれば、電気をつくれる。暗闇と空腹から解放される。――そしてマラウイでは、風は神様が与えてくれる数少ないもののひとつだ。


「学校の図書館で出合った本がきっかけで、人生が切り開かれていく。学ぶということが、これほどまでに人生を豊かにしてくれるとは。私たち日本人が忘れていたことを、この本は教えてくれます。日本の子どもたちが、ウィリアム少年のように目を輝かせながら、本をむさぼり読む。こんな日の来ることを願っています」(本書解説「知識が力となるために」池上彰