『暗号名イントレピッド』ウィリアム・スティーヴンスン/寺村誠一、赤羽竜夫訳



暗号名イントレピッド(上) 暗号名イントレピッド(下)

 1940年、英仏海峡へと破竹の勢いで進撃するナチ・ドイツの前に、イギリスの生存は危殆に瀕していた。この重大な局面に対処すべく、チャーチル首相は、一人の男に任務を与えた。
ヒトラーの世界征服の突破口は、この小さい島イギリスを降伏させることだ。このことをルーズヴェルト大統領に伝えてくれ!」
この使命を受けた人物は、科学者で第一次世界大戦時の空のエース、ヨーロッパ諸国を股にかけるカナダの実業家ウィリアム・スティーヴンソンだった。その使命と人柄に相応しく、暗号名は“勇猛な”を意味する《イントレピッド》だった。
 軍需品の援助が死活問題であった当時、彼は中立国アメリカとの秘密交渉にあたるとともに、「アメリカを戦場に参加させる」密名を帯びていた。そして、英米の諜報組織を統合する必要を感じたチャーチルの要請で、彼は強大な敵枢軸国とその傀儡政権を打破するため、国際的な大諜報網をもついイギリス安全保障調整局(BSC)を創設し、ニューヨークにその本部を置いた。
 史上最大の諜報機関と、この機関の総指揮をとり、チャーチルの密使、ルーズベルトの親友かつ顧問各で、OSSとCIAの名親であった人物の全貌を、30数年の固い沈黙機関を経て明かす記録。