古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

『始まっている未来 新しい経済学は可能か』内橋克人、宇沢弘文(岩波書店、2009年)



始まっている未来 新しい経済学は可能か

 世界と日本に現れている未曾有の経済危機の諸相を読み解きながら、パックス・アメリカーナ市場原理主義で串刺しされた特殊な時代の終焉と、すでに確かな足取りで始まっている新しい時代への展望を語り合う。深い洞察と倫理観に裏付けられた鋭い論述は、「失われた20年」を通じて「改革者」を名乗った学究者たちの正体をも遠慮なく暴き出し、「社会的共通資本」を基軸概念とする宇沢経済学が「新しい経済学は可能か」という問いへのもっとも力強い「解」であることを明らかにする。