岩波新書は1951年。
量子力学を創造し、原子物理学の基礎をつくった著者が追究した生命の本質──分子生物学の生みの親となった20世紀の名著。生物の現象ことに遺伝のしくみと染色体行動における物質の構造と法則を物理学と化学で説明し、生物におけるその意義を究明する。負のエントロピー論など今も熱い議論の渦中にある科学者の本懐を示す古典。
理論物理学者エルヴィン・シュレーディンガーの著作『生命とは何か』は、分子生物学の発展に大変大きな影響を与えた。本書は、その本のもとになった講義の50周年を記念し、多岐にわたる分野から第一級の科学者たちが同じダブリンのトリニティカレッジに集まり、それぞれの視点から、生物学の中心的な問題や生命科学の今後の発展について、当時のシュレーディンガーの講義さながらに講演したものをまとめたものである。