池内恵


 1冊読了。


 136冊目『書物の運命池内恵〈いけうち・さとし〉(文藝春秋、2006年)/池内恵は1973年生まれ。気鋭の中東研究者である。エッセイも書評もイスラムに関するものとなっているが、練達の文章でぐいぐい読ませる。2ページ目であっと声を上げた。何と池内紀の子息であった。どうりで文章が上手いわけだ。家にはテレビもなかったそうだよ。白眉はバーナード・ルイス著『イスラム世界はなぜ没落したか?』を巡る問題提起だ。国内における中東研究に対して真っ向から異を唱え、一石を投じている。ま、早い話が喧嘩を売ったわけ。若さとは向こう見ずの異名でもある。喧嘩は大歓迎だ(笑)。しかし池内は抑制した筆致で筋を通している。中東研究というムラは日本社会の縮図そのものに見えてくる。いよいよ70's(1970年代生まれ)の台頭だ。

虫歯と歯周病菌99.99%死滅…東北大新手法

 虫歯や歯周病などの原因菌をほぼ死滅させられる新たな殺菌法を、東北大大学院歯学研究科の菅野太郎助教らのチームが開発した。
 治療機器の開発も進められ、画期的な治療法が数年以内に実用化できるとの期待が高まっている。論文は米国の代表的な薬学雑誌12月号に掲載された。
 菅野助教らは、虫歯菌や歯周病菌など4種類の口腔(こうくう)内細菌と過酸化水素の水溶液に、目に見える波長のレーザー光を照射。強い殺菌作用のある物質「活性酸素」の一種を発生させ、3分以内に99.99%以上の菌を死滅させたという。人体への影響はないとみられ、治療が難しい歯周病の奥深い病巣を殺菌することなどへの応用が期待される。
 研究チームは、精密機械製造「リコー光学」(岩手県)などと、過酸化水素水とレーザー光を同時に出す歯周病用の治療機器の開発を進めている。今年度中には動物実験を終え、2011年度以降に臨床研究に入る予定だ。


YOMIURI ONLINE 2010-12-09


 当然、歯科医&歯科業者からの抵抗が予想されるので、この技術は抹殺されるかもね。

イエロージャーナリズム

 確かに例の記事は、他人が読めば彼の人生をたたえこそすれ、侮辱してなどいないように見えるかもしれない。が、彼の息子の一人であるおれには、その裏に、あの手の連中特有の、神にでもなったかのような傲慢さと臭気を感じた。連中が、新聞社や雑誌社やテレビ局のネームが入った名刺や、腕章や、そんなものをチラつかせながら、他人にどんなことをするのかをおれはよく知っていた。彼らの手のつけようもない無神経さをその記事の裏に感じた。会長の人生は閉じられたのだ。そっとしておけばよいのだ。ひとりの人間の死さえも、彼らはテレビカメラで写してやることで初めて死として認められるかのような錯覚をもっている。明るすぎる照明ライトを死の床にまで持ち込み、横たわった人間の死に顔を照らすことさえ、名誉なこととして受け入れろとでも言うのだろうか。会長の人生に本当に打たれたのなら、あるのはただ重い沈黙だけのはずだった。ただ黙っていればいいのだ。死さえも自分が与えてやったような高慢さが許せなかった。あの記事を読んだやつらも、トイレの便器に腰掛けたり、喫茶店や居間のソファに足を組んだり、食後のゲップなどをしながら、芸能人が子を産んだとかいう馬鹿げた記事のついでに読んだに違いなかった。誰もかれも許せなかった。


【『汝ふたたび故郷へ帰れず』飯嶋和一〈いいじま・かずいち〉(河出書房新社、1989年/リバイバル版 小学館、2000年/小学館文庫、2003年)】



汝ふたたび故郷へ帰れず リバイバル版 汝ふたたび故郷へ帰れず (小学館文庫)
(※左が単行本、右が文庫本)

人間の赤ちゃんが無力なのは複数の大人の保護を前提にしている

 人間は、直立し、二本足で歩行するという基本的な特徴を持っている。これは、樹上生活にくらべ、ずいぶんと危険の多い生活様式である。とくに力が強いわけでもない人間の祖先がこうした生活様式を採用しえたのは、やはり社会的協同のたまものであろう。つまり、人間の赤ちゃんが無力なのは、母親ばかりでなく、複数のおとなの保護を前提にしているのだ、と考えてよいように思われる。


【『知的好奇心』波多野誼余夫〈はたの・ぎよお〉、稲垣佳世子中公新書、1973年)】


知的好奇心 (中公新書 (318))

「OLD 50」加奈崎芳太郎


 チャボが(仲井戸麗市RCサクセションに参加する前に組んでいた古井戸のボーカリスト。古井戸は知っていたが加奈崎のことは記憶になかった。いやはや、ギター一本でこれほど豊穣な音を出せるとは。声は忌野清志郎の声から艶(つや)を消したような感じ。歌詞と歌い回しが昔の井上陽水にも少し似ている。ブルージーでありながらもロックの香りを残している。「悲咲」という名前を進呈したい。




Piano~Forte

福本伸行が生まれた日


 今日は福本伸行が生まれた日(1958年)。ギャンブル漫画の第一人者とされ、緻密な心理描写・強烈な人物描写を特徴とする、極限の勝負に賭ける男達を描いた作品が多い。麻雀に関する作品で知られるが、作中では既存の博打にこだわらず、数多くの独自のギャンブルを生み出している。




人生を逆転する名言集 福本伸行 人生を逆転する名言集 2 ユリイカ2009年10月号 特集=福本伸行 『アカギ』『カイジ』『最強伝説 黒沢』…賭けつづけるマンガ家 週めくり 福本伸行 2011年に人生を逆転する名言 2011年 カレンダー

エイダ・ラブレスが生まれた日


 今日はエイダ・ラブレスが生まれた日(1815年)。詩人バイロンの娘。史上初のプログラマー。数学者チャールズ・バベッジに師事。バベッジの講演を翻訳した際、2倍以上の分量の訳注を付けた。ベルヌーイ数を求めるための解析機関用のコードが、世界初のコンピュータプログラムとされる。



もうひとつの「世界でもっとも美しい10の科学実験」