古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

勝海舟



氷川清話 (講談社学術文庫)

 完全校訂版江藤淳・松浦玲編、未収録談を大量増補。海舟が自在に語る談話の数々。幕藩体制瓦解の中、勝海舟は数々の難局に手腕を発揮、江戸城無血開城に導いて次代を拓いた。晩年、海舟が赤坂氷川の自邸で、歯に衣着せず語った辛辣な人物評、痛烈な時局批判の数々は、彼の人間臭さや豪快さに溢れ、今なお興味が尽きない。本書は、従来の流布本を徹底的に検討し直し、疑問点を正し、未収録談を拾い上げ再編集した決定版。



海舟語録 (講談社学術文庫)

 奔放自在、縦横無尽! 幕末・維新を語り、明治の政局を評する海舟の炯眼と叡智。官を辞してなお、陰に陽に政治に関わった勝海舟。彼は晩年、ジャーナリスト巌本善治を相手に、幕末明治の政情や人物等について奔放に語った。本書では、『海舟餘波』『海舟座談』等として知られるそれらの談話を詳細に検討、日付順に再構成し、海舟の人柄や、その炯眼、叡智を偲ばせる肉声の復元を試みた。『氷川清話』の姉妹編をなす貴重な歴史的証言集。


ホームレスだけど、失業保険も生活保護もサギだと確信した


 母親が闇金から借金⇒家を追い出される⇒派遣会社を退職⇒「会社都合」にするという話が蓋を開けると「自己都合」になってた⇒緊急小口資金制度は償還の見込みがないと断られる⇒「失業保険は、本格的に失業で困ってる人を絶対に助けてくれないシステム」(ザ・ロード・トゥ・リアリティ)

世界大恐慌は石油を大量に使い始めたアレルギーショックだった

 それに、石油こそが、20世紀を創り、そのすべてを動かしているのだ。
 マクロ的あるいは、アバウト思考からいって、1929年の大恐慌は、人類が石油を大量に使い始めたアレルギー・ショックだったと考えている。そして今や、世界経済は、石油の使い過ぎによる中毒現象に見舞われようとしているのだ。


【『「1929年大恐慌」の謎 経済学の大家たちは、なぜ解明できなかったのか』関岡正弘(PHP研究所、2009年/ダイヤモンド社、1989年『大恐慌の謎の経済学 カジノ社会が崩壊する日』改題)】


「1929年大恐慌」の謎

自閉症は「間(あいだ)の病」

 私たちが、人と人との問題を考える時、実は「間(あいだ)」を重視しています。私は、自閉症のような精神の病とは、「間(あいだ)の病」でもあると考えています。ですから、病的事態を単に個人の内部に生じた病変としてだけ見る立場からは、自閉症児の問題は充分に把握しつくせないのではないかと思います。


【『自閉症の子どもたち 心は本当に閉ざされているのか』酒木保〈さかき・たもつ〉(PHP新書、2001年)】


自閉症の子どもたち―心は本当に閉ざされているのか (PHP新書)

ジュール・ミシュレが生まれた日


 今日はフランスの歴史家ジュール・ミシュレが生まれた日(1798年)。「この歴史には、第一ページから最終ページまで、一人の英雄しかいない。すなわち民衆である」 (『フランス革命史』)。「書物は大事だ。しかし書物に書かれているのは、最小の真実だ。おそらく一番、書くに値しない部分なのだ。書かれていない、ものごとの生きた世界がある。学生よ、それを民衆に学べ!」(『学生よ 一八四八年革命前夜の講義録』)。


フランス革命史〈上〉 (中公文庫) フランス革命史〈下〉 (中公文庫) ミシュレ