古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

ジャック・ロンドン、永井陽之助、夏目漱石、ラッタウット・ラープチャルーンサップ


 4冊挫折。


 挫折45『どん底の人びと ロンドン1902ジャック・ロンドン/行方昭夫訳(岩波文庫、1995年)/体力不足にて挫ける。再読する予定。


 挫折46『現代と戦略永井陽之助文藝春秋、1985年)/体力不足にて挫ける。これも再読する予定。


 挫折47『吾輩は猫である夏目漱石新潮文庫、2003年)/体力不足にて挫ける。いつか読みたい。


 挫折48『観光』ラッタウット・ラープチャルーンサップ/古屋美登里訳(早川書房、2007年)/体力不足のため挫ける。これは多分読み直すことはないだろう。

イシガキ産業 多用鍋 25cm


 炊飯器が壊れてしまった。下の方が餅みたいになり、上の方は半分も炊けてなかった。二度続いたのであきらめた。で、内釜で炊いてみたところ実に上手く炊けた。「始めチョロチョロ、中パッパ、赤子泣いても蓋取るな」なあんてやる必要はない。最初っから中火でオーケー。15〜20分ほど経ったら、火を止めて蒸らす。しばらくはこれでご飯を炊くことにした。蓋(ふた)は我が家の秘密兵器「イシガキ産業の多用鍋」のを使用。こっちで炊いた方が美味いのだが、如何せん洗うのが面倒なのだ。5.5kgと重量級。



多用鍋25cm 2541

丸山健二新刊『猿の詩集』(文藝春秋、2010年)



猿の詩集〈上〉 猿の詩集〈下〉

 時は第2次世界大戦中。南方の激戦地にて眉間を撃ちぬかれた男の魂が、1匹の猿に乗り移る――。あの戦争を超越的な視点から語りつつ、そこに生きる市民、権力者、そして天皇の在り方をも論じる異色の超大作です。文章を読点によって長く続けるという、特異な文体が放つ異様さもさることながら、日本の戦後と全身全霊で向き合い、批判していく本作は、まさに「圧倒的」の一言に尽きます。約2年ぶりとなる著者の長編小説は、丸山ファンだけでなく、「昭和」を生きた人たちに是非読んでほしい1冊です。

脳という宇宙

 それぞれのニューロン神経細胞)は他のニューロンと、およそ1000個から1万個のシナプスを形成している。シナプスにはオンとオフ、つまりあるシナプスが物事を刺激する信号を出す一方で、別のシナプスがそれを鎮める信号を出し、驚異的に複雑な出入りが進行する。砂粒くらいの大きさの脳の断片に、10万個のニューロンと200万本の軸索と100億個のシナプスがあり、それらがたがいに「会話」をしている。これらの数字をもとに計算すると、可能性のある脳の状態――理論的に可能な活動性の順列と組みあわせの数――は全宇宙の素粒子の数を超える。これほど複雑な脳の機能を、いったいどこから理解しはじめればいいのだろうか。機能を理解するためには、神経系の構造を理解することが不可欠なので、まず脳の構造をざっと見ることにする。脊髄の上には脊髄と脳をつなぐ延髄という部位があり、ここに血圧、心拍数、呼吸などの重要な機能をコントロールするニューロン集団(核)がある。延髄の次は橋(きょう)という部位(ややふくらんだ部分)で、小脳に神経線維を送っている。小脳は脳の後部に位置するこぶし大の組織で、体の強調運動を助けている。これらの上に、二つの巨大な半球がのっている――かの有名なクルミ形の脳半球である。半球にはそれぞれ前頭葉、側頭葉、頭頂葉後頭葉の四つの葉(よう)がある。


【『脳のなかの幽霊』V・S・ラマチャンドラン、サンドラ・ブレイクスリー/山下篤子訳(角川書店、1999年)】


脳のなかの幽霊 (角川文庫)