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メキシコ麻薬戦争の死者、38000人超える

リオデジャネイロ=浜砂雅一】メキシコのカルデロン政権が麻薬密売の根絶を目指して展開している「戦争」が長期化し、死者数は38000人を超えた。


 追いつめられた麻薬組織が一般市民を巻き添えにするケースも目立ち始め、国民の間では「えん戦気分」も高まっている。


 2006年12月に就任したカルデロン大統領は公約に掲げた「麻薬戦争」の開始を宣言。米国で消費されるコカインの9割がメキシコ経由の密売とされ、国境地帯を中心に約5万人の治安部隊を動員して取り締まりを強めてきた。大統領府によると、治安部隊と麻薬組織の戦闘や組織同士の抗争などによる死者数は昨年末時点で34612人。昨年だけで15273人に上った。


 一方、一般市民の犠牲も増えている。北部タマウリパス州の農場で先月、穴に埋められた183人の遺体が発見され、北部ドゥランゴ州でも同様の遺体が見つかり、AP通信によると、今月14日までに218人分に達した。いずれも、麻薬組織が市民を拉致して「運び屋」などになるよう求め、従わなかった場合に殺害したとみられている。


YOMIURI ONLINE 2011-05-18