「軍兵士らが強姦」訴え連行のリビア女性、「釈放」と発表

 リビアの首都トリポリで女性が外国人報道陣の滞在ホテルに飛び込み、「政府軍兵士らに強姦された」と訴えて当局者らに連行された問題で、同国政府は27日、この女性を釈放したうえで主張内容を刑事事件として捜査していると発表した。


 政府報道官は、女性には政府高官の息子ら4人に対して罪を犯した疑いがあると語った。一方で、「入ってはいけない場所に侵入しただけで、重罪ではない」とも述べた。報道官は、女性は無事であり、本人や家族は報道陣によるインタビューを受けることには積極的でないというが、現地のCNN記者は同報道官の発言は「事実と食い違っている場合が多い」と懐疑的な見方を示す。


 女性は26日、外国人報道陣が朝食を取っているところへ飛び込み、2日間にわたり拘束されてカダフィ政権の兵士ら15人に強姦されたと訴えた。反体制派の拠点、北東部ベンガジの出身だと語り、手首や足首に残るロープの跡を見せた。顔や脚にあざもみられた。


 政府当局者や治安要員、ホテル従業員らが女性を取り押さえ、報道陣から力ずくでカメラを取り上げるなどした。女性にナイフを向けるホテル食堂の従業員や、けん銃を抜く当局者もいた。CNNのカメラも押収され、修復不可能な状態に破壊された。


 現場の治安要員らは、女性が「精神的に病んでいる」として「病院」に収容されると語った。当局者はその後、女性の精神に異常のないことが分かったとして、事件として扱う構えを示していた。


 トリポリの外国人報道陣は自由な取材を認められず、当局者の引率する外出以外はホテルから出ることができない。反体制派からの個人的な接触は、この女性が初めてだった。


CNN 2011-03-28