欧米の人権団体が、テロ容疑者への拷問をブッシュ前米大統領が承認したことは「犯罪」だとして、スイスの司法当局への告発を準備、ブッシュ氏が講演のために予定していたスイス行きを中止していたことが分かった。ロイター通信などが7日報じた。
告発は、キューバのグアンタナモ米海軍基地のテロ容疑者収容施設で拘束されていた中東の衛星テレビ、アルジャジーラの元記者ら2人の代理で準備。今後もブッシュ氏が米国を離れた場合には、即座に告発を行うとしている。
同団体は米司法当局が告発を受理する可能性はないと判断、わずかでも可能性がある米国以外の国をブッシュ氏が訪問するタイミングを狙って告発する作戦に出たとみられる。
人権団体は、ブッシュ氏がテロ容疑者の鼻や口に大量の水を注いで自白を迫る「水責め」と呼ばれる過酷な尋問や、睡眠を妨げるなどの拷問を承認したと非難。ブッシュ氏は昨年11月に発売した回想録で、2001年の米中枢同時テロの容疑者に対する水責めを承認したことを認めている。