ロンドンに拠点を置く国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は2日、前年12月〜今年1月のイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ(Gaza)地区攻撃に関する報告書を発表し、イスラエル軍が子どもたちを「人間の盾」として使い、民間人に理不尽な攻撃を行ったと非難した。
一方、パレスチナ自治区のイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)についても、イスラエル南部に向けて住宅密集地からロケット弾を発射し続けたことは、市民を危険にさらす行為で、戦争犯罪に当たると批判している。
ただ、イスラエルが主張しているような、ハマスが使用する建物内に民間人を強制的にとどまらせるなどして「人間の盾」に使った証拠は、見つからなかったことを明らかにした。
逆に、イスラエル軍が子どもを含むパレスチナ民間人を自宅の一室にとどまるように命じた上で、建物の残りの部分を攻撃用拠点に使用し、「結果的に民間人を人間の盾として使い、危険にさらした」数々の事例があると指摘。「軍事目標の盾として市民を故意に使う『人間の盾』は戦争犯罪だ」とした。
また、「破壊行為の多くは過剰で、民間施設を直接狙ったもの」だとも指摘。国際社会に対し、イスラエルとハマスに対する武器禁輸と戦争犯罪の調査をあらためて要請するとともに、戦争犯罪が行われた十分な証拠がある場合は、国際的な司法機関の下で調査が行われる必要があると述べた。
報告書は、22日間のガザ攻撃によるパレスチナ側の死者は1400人以上、うち300人以上が子どもだとしている。一方、イスラエル側の犠牲者は13人だという。