古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

守護霊と輪廻転生は相容れない概念

 要するに現在「守護霊」と呼ばれているものは、死んだ人間の魂が生きている人間に対して何らかの意味を持つというだと考えてよいでしょう。ただ、もうお気づきかと思いますが、これは先に触れた輪廻転生とは、そもそもまったく相容れない概念なのです。生まれ変わりを肯定するならば、「輪廻した」つまり死んだ瞬間にその人は同じ時間に世界のどこかで生まれ変わっているのですから、霊魂がそこにうろうろしているわけがありません。これほど明らかに矛盾した話なのに、なぜ誰も疑問を抱かないのでしょうか? だいたい、江原啓之氏の番組に登場する芸能人にはなぜか前世が武士の人が多いんですが、武士身分は、たとえ一番数の多かった江戸時代においてでも、せいぜい日本の人口の1割程度だったということくらい、多少歴史が好きな人ならば当然知っていることで、変だと思いませんか。なぜ、たとえば「あなたの前世は賤民です」「江戸時代の被差別民です」と言わないのでしょう。それではウケない(相手が喜ばない)からではないでしょうか。


【『スピリチュアリズム苫米地英人〈とまべち・ひでと〉(にんげん出版、2007年)】


スピリチュアリズム

イグナチオ・デ・ロヨラが生まれた日


 今日はイグナチオ・デ・ロヨラが生まれた日(1491年)。1534年8月15日、イグナチオと6人の仲間はモンマルトルの丘に登り、神に自分の生涯をささげる誓いを立てた(モンマルトルの誓い)。「今後、7人はおなじグループとして活動し、エルサレムでの宣教と病院での奉仕を目標とする。あるいは教皇の望むところならどこでも赴く」というものであった。これがイエズス会の始まりである。大航海時代を背景にした宗教的侵略。


霊操 (岩波文庫) フランス・ルネサンスの人々 (岩波文庫) イエズス会の世界戦略 (講談社選書メチエ)