古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

失敗だらけのIMF


 はっきりいって、現在のIMFには、現状に即した経済支援策を策定する能力も、また新たな金融危機に対応する能力も備わっていない。頭の固い新古典派の経済学者を抱えたIMFを存続させるより、目的に応じた専門家の監視機関を新たにつくりあげるほうが、コスト的にもよほど楽で機能的であろう。(橋本光平)

首相の「税」に対する認識の稚拙さで民主が自滅


 それを菅首相は「政治と金」「普天間」の争点隠しの小道具として消費税を持ち出してしまった。税に対する認識の甘さや稚拙さ。それを国民に見透かされたというのが、民主党惨敗の本質ではないか。財部誠一

ヘイトスピーチは犯罪である。犯罪者を見つけたら現行犯で逮捕しよう。


 ヘイトスピーチは犯罪である。たまたま、それが日本の刑法に記されていなくても、外国人などのマイノリティーを差別し、恐怖におとしいれ、生存権を奪い、追放することを正当化するような言動は、犯罪である。(訳者あとがきβ版)

飯島和一作品の外情報

 ・男は再び走り出した
 ・飯島和一作品の外情報
 ・イエロージャーナリズム

『雷電本紀』飯嶋和一
『神無き月十番目の夜』飯嶋和一
『始祖鳥記』飯嶋和一
『出星前夜』飯嶋和一
『狗賓童子(ぐひんどうじ)の島』飯嶋和一


 これがトール・ノーレットランダーシュの言う「外情報」だ。極端な省略、割愛によって読者の想像力が拡がる。行間の豊かさ。

「お名前ぐらい、教えていただけませんか」
『前にも言ったろう。俺はただの修理工』
 バッグを手渡しながら彼は笑ってそう言った。車が動き出す時、彼は窓越しにおれを見つめた。
『新田って言ったな』
「はい」
 彼は小さくひとつ頷くと車を出し、そしてそのまま視界から消えていった。


【『汝ふたたび故郷へ帰れず』飯嶋和一〈いいじま・かずいち〉(河出書房新社、1989年/リバイバル版 小学館、2000年/小学館文庫、2003年)以下同】

 頭を下げドアを開けて出ようとした時だった。
『新田』いきなり彼が背後から呼んだ。
「はい。なにか……」
『……よく来た』
 まだおれに伝えることがあったようだったが、急に言うのをやめたらしかった。



汝ふたたび故郷へ帰れず リバイバル版 汝ふたたび故郷へ帰れず (小学館文庫)
(※左が単行本、右が文庫本)

フランスはカルト判断基準を単純化した

 ある宗教団体をカルトと考えるか否かの判断基準は、ひとことで言うと、社会がすでに持ってる価値観からどこまで乖離しているかということです。フランス政府では判断基準を単純化して、その団体が地域社会、信者自身、信者の家族とトラブルを起こしているかどうかによってカルト認定の判断を行ないます。しかし、私の実感としてはそのような基準を当てはめてカルトの本質的な適宜とすることには違和感があります。なぜならその基準でいくと宗教でないどんな団体でもカルトとして認定できることになるからです。


【『スピリチュアリズム苫米地英人〈とまべち・ひでと〉(にんげん出版、2007年)】


スピリチュアリズム