古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

『ボウリング・フォー・コロンバイン』マイケル・ムーア監督

 一方、意図的な編集がなされているという批判がなされる事もある。例えばコロンバイン高校での事件を受けてNRAがわざわざコロラド州で集会を開催したかのような演出が為されている。しかしこの集会は事前から予定に組み込まれていたものであり、銃乱射事件の直後に敢えてデンバーを年次集会の会場に選んだわけではない(乱射事件は年次集会予定日のわずか11日前に発生したのである)。全米ライフル協会のサイトを確認すると、年次集会の日程は前年の時点で既に決定済みであることが分かる。さらには銃乱射事件から1年後の集会でチャールトン・へストンが言った台詞を、彼がデンバーでの集会で言ったかのように誤認させる演出が為されている。


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ボウリング・フォー・コロンバイン マイケル・ムーア アポなしBOX [DVD]



エミール・ハビービー


 1冊挫折。


 挫折49『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』エミール・ハビービー/山本薫訳(作品社、2006年)/期待が大きかっただけに残念。まず、活字がゴシック体で読みにくい。次に脚注が多すぎて読みにくい。そして、諧謔(かいぎゃく)の中身が全く理解できない。というわけで、50ページほどで挫ける。これは読み直すこともないと思う。値段の割には紙質も悪い。

黒い九月事件

 フセイン国王のパレスチナ人弾圧は70年9月に起こったため「黒い九月」と呼ばれているが、やがて同じ名のパレスチナ人テロ組織が誕生し、これが72年9月にミュンヘン・オリンピック村を襲撃し、イスラエル選手団に犠牲者が出ることになる。
 ヨルダン内戦でPLOは潰滅したと考えた世界の人々は、この事件や同じ年の5月30日に日本赤軍の3人が引き起こしたテルアビブ空港(現ベングリオン空港)襲撃(26人殺害)など熾烈な作戦によって、パレスチナ問題が依然として続いていることを知ったのだった。しかしイスラエル側は、その年9月にレバノンパレスチナ・キャンプを爆撃、数百人を殺害し、73年2月にはリビア航空機を撃墜し104人を殺害、4月にはベイルートを奇襲し、PLOの幹部を殺害して報復したのである。


【『パレスチナ 新版』広河隆一〈ひろかわ・りゅういち〉(岩波新書、2002年)】



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特別暗殺チーム「黒い九月」が起こした「ミュンヘン五輪襲撃事件」
ミュンヘンオリンピック イスラエル選手団人質虐殺事件
『ミュンヘン』の元ネタ 1 ブラックセプテンバー/五輪テロの真実
黒い九月