古本屋の覚え書き

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草なぎ出演CM、損害賠償50億円!?

 SMAP草なぎ剛容疑者(34)が23日に公然わいせつ容疑で現行犯逮捕されたのを受け、CM界やテレビ界にも大激震が走った。
 広告代理店のキャスティングに関する相談役を務めたこともある芸能評論家の肥留間正明氏(59)は、「SMAPはいまや日本一のテレビタレントという位置づけなので、草なぎ容疑者個人としてもギャラは5000万円ほどか。グループでは1億2000〜5000万円、また楽曲のみの場合はタイアップ戦略としても見なければならないが、それでも5000万円はくだらないのでは」と推定する。同氏の概算から算出すると、CMの打ち切りによって少なく見積もっても4億2000万円のギャラが吹っ飛んだことになる。
 しかし、肥留間氏によると企業側の損害はこの程度ではまったく済まない。「企業のCM戦略を考える場合、タレントへのギャラはほんの一部に過ぎない。テレビ、新聞、雑誌、駅のポスターなど総合するとCM1本で50億円近いカネが動くというのは常識。それが消えるということは企業にとって計り知れないダメージだ。ギャラの10倍ぐらいの損害賠償を、草なぎ容疑者サイドに請求するという考え方もできなくはないのです」。
 となると、4億2000万円の10倍、ざっと50億円の損害賠償が同サイドに突きつけられる可能性もあるというわけだ。代償はあまりにも大きかった。


サンケイスポーツ 2009-04-24

江村洋


 1冊挫折。


 挫折25『ハプスブルク家江村洋講談社現代新書、1990年)/期待外れだった。山場に欠ける。56ページで挫ける。「キリスト教が心なら、ハプスブルク家は背骨である。ヨーロッパという肉体の中心、結婚政策により勢力を保ち続けた名門王朝の歴史を探る」(表紙より)――13世紀から何と700年もの長きにわたって、ハプスブルク家はヨーロッパに君臨していたようだ。いずれ、調べ直す必要あり。

アレルギー

 アレルギーという言葉は、クレメンス・フォン・ピルケという学者が1906年に、豊富な臨床の経験と実験的事実をもとにさんざん思索したあげく作った言葉である。ギリシャ語のALLOS(変わる)とERGON(力)を合成して創ったものである。つまり、アレルギーというのは何かのきっかけで反応性が変化してしまった、そういう病的な状態を指す言葉である。アレルギーの本体は、この不明確な言葉でしか表現できなかった。それが、今日免疫反応と読んでいる生体反応のひとつであることがすんなり受け入れられるまでには相当な年月を要したのである。


【『免疫の意味論』多田富雄青土社、1993年)】