ハンス・リューシュ、野矢茂樹


 1冊挫折、1冊読了。


医療の犯罪 一〇〇〇人の医師の証言』ハンス・リューシュ/訳者が太田龍だった。気づかなかった。甲田光男(日本動物実験廃止教会会長)による「動物実験を廃止せよ」という文章が冒頭に掲載されているのだが、これがまた胡散臭い文章なんだよ。自分が考案した「生菜食療法」の宣伝文みたいになっている。本書で問題にされているのは動物実験であり、これを「医療の犯罪」としている。確かに動物実験で成功したからといって、そのまま人間の治療に役立つとは限らない。着眼点はいいと思うのだが、主張の仕方が左翼っぽくて気に入らず、挫けた次第。


無限論の教室野矢茂樹/大学の講義を模した無限論入門。結構難解な箇所もあったが何とか読了。無限とは果てしない量と思いがちだが、0と1の間にも無限は存在する。最終章でゲーデル不完全性定理が登場する。これも決してわかりやすい代物ではない。「あとがき」によれば、隠し味はウィトゲンシュタインだそうだ。

形態(ゲシュタルト)を把握せよ/『メービウスの環』ロバート・ラドラム

 昨日の出来事である。同乗者がコンビニに寄って欲しいというので、運転していた私は駐車場へ入るべくハンドルを左に切った。歩道の右方向から来た自転車をやり過ごし、左側からの歩行者が過ぎ去ったところで車を動かした。次の瞬間、同乗者二人が「危ないっ!」と叫んだ。右側から自転車に乗ったジイサンが車の横にぶつかる寸前だった。つまり、だ。私は最初の自転車を注視し過ぎたため、後の自転車を見失ったことになる。

 時代を超え、デマレストの教えが蘇る――一つの方法に捕われるな。考え方を変えろ。一羽の黒い鳥ではなく、二羽の白い鳥を見ろ。一切れがなくなったパイ全体ではなく、一切れのパイを見るんだ。ネッカーの立方体(透明な立方体の線画。見方によって向きが逆になる)の内側ではなく、外側を見てみろ。形態(ゲシュタルト)を把握するんだ。それで自由になれる。


【『メービウスの環』ロバート・ラドラム/山本光伸訳(新潮文庫、2004年)】


 これ、凄いよね。苫米地英人の『心の操縦術 真実のリーダーとマインドオペレーション』と全く同じ考えである。


 意識するという行為は焦点を絞る作業である。これによって、焦点以外は見えなくなるのだ。デマレストの教えは、無意識レベルで空間を認知せよというものである。


 実に味わい深いテキストで、知識がないと意味をつかめない。ラドラムは、読者に対する要求も高いことが窺える。


メービウスの環〈上〉 (新潮文庫) メービウスの環〈下〉 (新潮文庫)

【感動】レジ打ちの女性(涙の数だけ大きくなれる!)


 知り合いから教えてもらったもの。多くの人々がが置かれている状況をイントロにすることで、見事に共感を勝ち取っている。書籍の宣伝動画のようだが、テキストと画像だけでここまで感動させるのはお見事。バックに流れる歌もいい。


涙の数だけ大きくなれる!