V・E・フランクル、ダン・アリエリー


 北海道にて2冊読了。


 73冊目『それでも人生にイエスと言うV・E・フランクル/山田邦男、松田美佳訳(春秋社、1993年)/今月後半の課題図書。講演のため読みやすい。地獄の深淵を知った人間ならではの深い洞察が光る。傑作といってよいのだが、それでも体験に束縛された者の限界性が見えてしまう。これが阿羅漢(あらかん)と仏との違いである。


 74冊目『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』ダン・アリエリー/熊谷淳子訳(早川書房、2008年)/ノリがスタンレー・ミルグラムに似ている。面白主義といったところ。経済学というのは合理性に貫かれている。市場原理が適正価格を決め、いざとなれば神の手が支えてくれることになっている。一方、行動経済学は人間という要素に着目し、心理学的洞察を加えることで、「不合理な行動」を明かしている。最近、マクロ経済学の本を2冊ほど読んだがいずれも挫折した。とにかくツルツルしていてつまらない。経済学者の手にかかれば、衝動買いすら合理的に説明するのだろう。マッテオ・モッテルリーニよりもこちらがオススメ。

痴漢“無実”証明できぬまま自殺 息子信じる母、目撃者捜し続く