古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

文字改革=情報空間の隠蔽

 どういうことかと言うと、中華人民共和国になってから略字を大幅にとり入れる文字改革が断行されましたよね。どの国でも文字改革というのは、前の歴史との連続性を切断するために行うんです。ですから、中華人民共和国で標準的な教育を受けている人間は、戦前の文献、古代の文献が読めないんですよ。
 ナチスヒトラーも1930年代に文字改革してヒゲ文字のドイツ語をやめてしまった。これは19世紀と20世紀のドイツの高度な哲学的、思想的な遺産を労働者から切り離してしまうのが目的でした。同じように、ボルシェビキ以降のソ連・ロシアもやはり文字改革をして帝政時代の文字を読めなくしてしまった。新しい文字によって情報空間を隠蔽してしまうんですよ。これに逆らった者はみんな強制収容所に送られました。


【『国家の自縛』佐藤優産経新聞出版、2005年/扶桑社文庫、2010年)】


国家の自縛 国家の自縛 (扶桑社文庫)
(※左が単行本、右が文庫本)

日米経済摩擦に突入する危機:トヨタ

 米国は米国民の税金を使って広く世界中の国の自動車産業に貢献したものの、日本は自国の自動車だけに恩恵を与えているのは不公平貿易にあたるとして米国内で問題になりつつあり、今、米国は中国との貿易摩擦がぼっ発していますが、これが日本との貿易摩擦に発展するのは時間の問題かも知れません。
 特に、【トヨタ】は来年3月でGMとの合弁会社である《NUMMI》を清算するとしており、これは今米国内で「トヨタの勝ち逃げはさせない」としてUAWと議会の一部で日本攻撃の格好の材料になる可能性があります。


Nevada(金融危機特集) 2009-09-14