2008-10-10 桃井和馬 読書日記 1冊読了。 『この大地に命与えられし者たちへ』桃井和馬/世界各地の様々な光景を切り取った写真集である。これは凄い。嘘偽りなく凄いと言っておこう。シャッターを切る一瞬に、過去と未来が交錯し、欲望と暴力が噴出し、静かな現実が横たわっている。そう。ここに収められているのは“世界の物語”に他ならない。辺境で貧困に喘ぐ人々、国家間の暴力にさらされている人々、そして人間の営みをじっと黙って見つめる大自然――。世界をこれほど手繰り寄せている写真を見たのは初めてのことだ。