『なぜ人は砂漠で溺死するのか?』 高木徹也(メディアファクトリー新書、2010年)



なぜ人は砂漠で溺死するのか? (メディアファクトリー新書)

 意外な「死因」と予想外の「場所」で、多くの人が死んでいる! 砂漠を行く人は、かつて鉄砲水が通った踏み締めやすい溝を選んで歩く。運悪く集中豪雨が降ると鉄砲水が再びそこを襲い、人は砂漠にいながら溺死する……こんなふうに「意外な場所」にいて「意外な死因」によって、「意外とたくさん」の人が亡くなっていることは知られていない。著者は、年に300体以上持ち込まれる「不審死」の遺体を解剖する法医学者。貼られていた湿布の位置から心臓疾患を突き止めたり、顔についた不思議な線からゴミ屋敷の内部を推定したり、病死と思われた遺体の内臓から家族による殺人を発見したりと、解剖台で人の死に方と向き合い、死体検案書にまとめるのが仕事である。その日常から見えてくるのは、われわれの生を脅かす様々な要因だ。日本人が凝視を避けてきた「死」を積極的に語ることで、現代人がよりよく生きるためのヒントが見つかる本。