理想とほど遠い現実でも、それを直視して、行動しなければ、なにも始まらない

 彼女のような世界的知識人ではなくとも、あらゆる人はダブルバインドの中で生きている。たとえば、インドでの教育活動の協力者は、教師養成学校の開校日に漏らした。
「この学校は、(建設に協力した)政治組織の腐敗した構造を利用しなければ実現できなかった」と。
「生きることはダブルバインドそのもの。しかし生きて何かをするというゲームから降りることはできません」。
 理想とほど遠い現実でも、それを直視して、行動しなければ、なにも始まらない。この思いこそが、スピヴァク氏を支えているようだ。


Essais d'herméneutique