干ばつや内戦の影響による食糧危機で飢餓が深刻化する東アフリカのソマリアについて、米政府は3日、過去90日間に5歳未満の乳幼児2万9000人以上が餓死したとの推計を発表した。今回の飢餓に関する死者数の推計は初めて。
AP通信によると、推計は米疾病管理予防センターの調査に基づくもので、米国際開発庁が米議会で報告した。
一方、国連は3日、ソマリア南部の二つの地方と首都モガディシオの3エリアを新たに「飢餓地域」と認定した。国連が同国で深刻な飢餓状態にあると認定したエリアは、これで計5地域となった。
国連はアフリカ大陸北東部が過去60年間で最悪レベルの干ばつに見舞われているとし、ソマリア国内では320万人に緊急支援が必要と指摘。64万人の子供が深刻な栄養失調状態にあるとみている。
また、赤十字国際委員会(本部ジュネーブ)は4日、110万人を救援するため、6700万スイスフラン(約69億円)の食糧支援の追加を国際社会に要請した。
飢餓の発生しているソマリア中部と南部はイスラム過激派組織アルシャバブが実効支配し、世界食糧計画など国連機関の活動は難航している。だが赤十字はソマリアでの活動経験が長く、支援可能な状態が続いているという。
国連などは、飢餓が来月にかけてソマリア南部全域に拡大し、年末まで続く恐れがあると指摘。国際的な支援の拡充を呼び掛けている。