パキスタンの警察当局は20日、イスラム過激派組織が8歳の少女を誘拐した上、治安部隊への攻撃を目的に自爆ベストを着用させていたことを明らかにした。
警察によると、少女の名前はソハナ・ジャバイドちゃん。事件発覚後、当局に保護されたソハナちゃんは同国北西部のディールで開かれた会見に出席し、その様子はパキスタン国内でテレビ中継もされた。
自宅があるペシャワールで誘拐されたソハナちゃんは、当時の様子について「車の中に男性2人と女性2人がいた。彼らにさらわれた」と説明。誘拐後にローワーディール地区に連れ去られたという。
過激派組織はその後、自爆ベストを着て検問所に行くよう指示。ソハナちゃんは、「最初のベストはサイズが合わなかったから、違うベストを着せられた。検問所に近付いたとき、ベストを投げ捨て(助けを求めて)叫び始めた。そうしたら、治安部隊の人たちが私を捕まえた」と語った。
パキスタンでは武装勢力が、男性や少年に自爆攻撃を仕掛けさせることはあるが、女性が対象になることはまれ。同国ではタリバン勢力が、自爆攻撃の大半を行っているとされている。