福島白河市−「見捨てられない」 フィリピンの4人、老人ホームにとどまる

 福島第1原発事故で在日外国人の「日本脱出」が続く中、福島県白河市の「小峰苑」では、4人のフィリピン人介護士候補が「お年寄りを見捨てて去れない」と働き続けている。
 4人はルソン島中部ヌエバビスカヤ州出身の看護師メルセデス・アキノさん(27)、同島バギオ市出身の元NGOスタッフ、ジュリエット・トバイさん(27)ら。日本との経済連携協定EPA)に基づいて2009〜10年、相次いで来日した。
 アキノさんによると、フィリピンの家族からは毎日のように「帰って来て」と電話がかかってくるというが、4人は「お年寄りがここにいる限り残る」と決めている。
「おばあちゃんたちからチョコレートをもらったり、日本語の勉強用のノートをもらったりと、すごく親切にしてもらっている。地震原発も怖いけど、私たちだけ帰国はできない」とアキノさんは話す。
 4人の活躍は、フィリピンのテレビニュースでも「介護のヒロイン」と取り上げられ、大きな反響を呼んだ。ただ、本人たちは「自分に与えられた仕事を果たそうとしているだけ」と話し、ヒロイン扱いに困惑しているという。
 彼女たちの目下の悩みは日本語の勉強。日本で働き続けるには介護福祉士国家試験に合格しなければならないが「漢字が難しいし、今は勉強する余裕もない」と言う。
 小峰苑では「本人たちが帰国を希望すれば、すぐに手続きを進めるのだが、大変まじめに研修し、献身的に仕事を続けてくれている。入所者に家族のように接する姿は、われわれ日本人職員にも刺激になっている」と話している。


河北新報 2011-04-15