古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

『レアメタル・パニック Rare Metal Panic』中村繁夫(光文社ペーパーバックス、2007年)



レアメタル・パニック  Rare Metal Panic (光文社ペーパーバックス)

「産業の米」と呼ばれるレアメタル希少金属)は、日本が産業立国として生きていくために必須の物質だ。なぜなら、レアメタルがなければ、パソコンもテレビも携帯電話もハイブリッドカーも作れないからだ。そのレアメタル市場が、現在、大混乱となっている。それは、日本がほぼ全面的に供給を依存している中国が、レアメタルの輸出を制限し、さらに買い占めに走っているからだ。おかげで全てのレアメタルが高騰している。レアメタルはいざというときのために国家備蓄されているが、それはわずかな量でしかない。繰り返すが、その備蓄がなくなれば、日本の産業は「開店休業」状態となる。では、日本はどうすればいいのか? 本書は、生き馬の目を抜くレアメタルの世界で長年生きてきた著者が、その現状を赤裸々に書いたものである。