古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

『遠い朝の本たち』須賀敦子(ちくま文庫、2001年)



遠い朝の本たち (ちくま文庫)

 人生が深いよろこびと数々の翳りに満ちたものだということを、まだ知らなかった遠い朝、「私」を魅了した数々の本たち。それは私の肉体の一部となり、精神の羅針盤となった──。一人の少女が大人になっていく過程で出会い、愛しんだ文学作品の数々を、記憶の中のひとをめぐるエピソードや、失われた日本の風景を織り交ぜて描く。病床の著者が最期まで推敲を加えた一冊。