フランシスコ会修道士のイギリス人、ロジャー・ベーコンが行った光学実験によって1270年ごろに生まれた老眼鏡は、早くも1290年にはアヴィニヨンの法王庁で使われ、1300年にはカイロのサルタンの宮廷で、1310年にはモンゴルの宮廷で使われた。
これに匹敵する速さで普及した現代の発明は、19世紀に発明されたミシンと電話ぐらいだった。
【『プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するか』P・F・ドラッカー/上田惇生〈うえだ・あつお〉編訳(ダイヤモンド社、2000年)】
1270年といえば北条時宗が執権の頃。イノベーションを普及速度で計る視点は重要。