構成作家という職業

 そう。構成作家は、社内派閥みたいなものが醸す不安定な波の上で上手にサーフィンをしてみせるバランス感覚をもっていなければならない不思議な商売だ。そのためには、飲んで楽しく、語って面白く、怒鳴って無難な男手なければならない。
 かように、「書かない作家」である構成作家が立たされているロープははなはだ細いのである。スタジオの幇間、打ち合わせ伝票のアリバイ、噂のはきだめ、男OL、近代丁稚、有料友達、会議飴…………まあ、なんとでも呼んでくれ。
 ともかく、こんな仕事は、20歳代の明日なきブラブラ者にしかつとまらないはずなのである。


【『罵詈罵詈 11人の説教強盗へ』小田嶋隆洋泉社、1995年)】


罵詈罵詈 11人の説教強盗へ