明治政府そのものが外的自己と内的自己との妥協の産物

 明治政府そのものが、開国派と尊王攘夷派、外的自己と内的自己とのある種の妥協の産物で、その屈従政策、文明開化政策は、内に抱え込んだ、または野に放たれている攘夷派、旧士族の反発を招かずにはおかなかった(大久保と西郷、内治派と征韓派の対立は、政府内部における外的自己と内的自己の対立の典型である。このパターンは、昭和になって、政党と軍部の対立という形でくり返される)。


【『ものぐさ精神分析岸田秀〈きしだ・しゅう〉(青土社、1977年/中公文庫、1996年)】


ものぐさ精神分析 (中公文庫) 続 ものぐさ精神分析 (中公文庫)