古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

食糧不足と脱水症状で死んでゆくアフガニスタンの子供たち

 実際、診療所付近で落命する患者たちは、ほとんどが小児であった。栄養失調で弱っているところに汚水を口にし、赤痢にかかる。健康なら簡単に死ぬことはないが、背景に食糧不足と脱水があると致命的である。子供だけではない。多くの病気は十分な食糧と清潔な飲み水さえあれば罹(かか)らぬものであった。


【『医者、用水路を拓く アフガンの大地から世界の虚構に挑む』中村哲〈なかむら・てつ〉(石風社、2007年)】


医者、用水路を拓く―アフガンの大地から世界の虚構に挑む