古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

ブルー・ノーウェア=サイバースペース

 題名は〈青い虚空(ブルー・ノーウェア)の生活〉。コンピュータは心理学から娯楽、知性、肉体的な快適性、悪にいたるまで人間生活のあらゆる側面に影響をもたらす歴史上初の技術的発明であり、そのため人間と機械の関係はますます接近していくというテーマに沿って、この変化は恩恵がある一方、危険も多くはらんでいるとしていた。“ブルー・ノーウェア”という言葉はコンピュータの世界を示す“サイバースペース”と置き換えてもいいし、あるいはマシン・ワールドと呼ぶこともできる。ジレットの創り出したフレーズのなかで、“ブルー”はコンピュータを動かす電気を意味し、“ノーウェア”は実体のない場所を指している。


【『青い虚空』ジェフリー・ディーヴァー/土屋晃訳(文春文庫、2002年)】


青い虚空 (文春文庫)