明石家さんまの大量死

 知床半島の海岸とサロマ湖畔に、相次いで大量死したサンマが漂着したのは11月下旬のことだったが、同じ頃、テレビでは明石家さんまが一人で“大量死”していた。具体的には、新番組「明石家さんちゃんねる」(TBS系列水曜午後9時〜)が、低迷しているのだ。関東地区の視聴率は初回が10.6パーセント、2週目は8.7パーセント。うん、ひどい。ゴールデンの数字ではない。
 内容は、数字以上にひどかった。いや、つまらないだけならいいのだ。つまらなくても、数字をとっている番組はある。さんまの番組は、ずっとそうだった。さんまほどの大物になると、内容が空疎でも視聴者を誘導するだけのオーラを持っている。視聴者は、さんまの顔を見ると安心する。と、要するに、そういう蓄積の上に、長らくこの男はあぐらをかいてきたわけだ。が、それももうおしまいだ。


【『テレビ救急箱』小田嶋隆中公新書ラクレ、2008年)】


テレビ救急箱 (中公新書ラクレ)