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- 近代政府による組織的な宣伝活動
- アメリカ軍国主義が日本を豊かにした
- ウォルター・リップマンの策略
- 観客民主主義
- 民主主義の新しい革命的な技法=合意のでっちあげ
- 「必要な幻想」による「過度の単純化」が政治学の主流
これは3歳の幼児に一人で道路を渡らせないのとまったく同じ理論である。誰だって3歳の幼児にそんな自由は与えないだろう。3歳の幼児はその自由を適切に扱うすべを知らないのだ。それと同じように、とまどえる群れも行動に参加させるべきではない。面倒を起こすに決まっているのだから。
そこで、とまどえる群れを飼いならすための何かが必要になる。それが民主主義の新しい革命的な技法、つまり「合意のでっちあげ」である。メディアと教育機関と大衆文化は切り離しておかなければならない。政治を動かす階級と意志決定者は、そうしたでっちあげにある程度の現実性をもたせなければならず、それと同時に彼らがそれをほどほどに信じこむようにすることも必要だ。
【『メディア・コントロール 正義なき民主主義と国際社会』ノーム・チョムスキー/鈴木主税〈すずき・ちから〉訳(集英社新書、2003年)】