3冊読了。
129冊目『日本人のための戦略的思考入門 日米同盟を超えて』孫崎享〈まごさき・うける〉(詳伝社新書、2010年)/元外務官僚が書いた外交・防衛の戦略論。骨太の論考。日米安保に関する具体的な処方箋を提示している。沖縄米軍基地移転問題、そして尖閣問題で揺れている今、これほどタイムリーな本もあるまい。孫崎の実直さは幕臣の雰囲気すら醸し出している。
130冊目『一目均衡表の研究』佐々木英信(投資レーダー、1996年)/一目均衡表を学ぶなら本書といわれている。前半だけで元は取れるだろう。後半はあまりピンと来なかった。妙な宗教臭さがあると思っていたら、佐々木英信は幸福の科学の信者であった。既に鬼籍に入る。名著とは思わないが好著であるのは間違いない。
131冊目『人生をどう生きますか?』J・クリシュナムルティ/大野龍一訳(コスモス・ライブラリー、2005年)/過去の著作からの抄録。初心者には不向きで、それなりにクリシュナムルティの教えに接した人でなければわかりにくいことだろう。大野龍一の訳は大野純一よりもこなれていて読みやすい。ただし時折挿入されている訳注は余計だ。かえって訳者の先入観をあらわにしてしまっている。クリシュナムルティ本はこれで42冊目の読了。