ソシュールの言語学は文字に対する観念が抜け落ちている

 言語学という学問があります。最近あまり聞かなくなりましたが、80年代の日本ではソシュール(Ferdinand de Saussure)という人の言語学が大流行しました。ただ、この学問は西欧で生まれた学問なので、文字に対する観点がまったく抜け落ちています。なぜそうなったのかというと、西欧にはアルファベットという発音記号のような文字しか存在しないからです。西欧人には文字のことがわからないから、漢字の文明と文化の構造は理解できないのです。


【『漢字がつくった東アジア』石川九楊筑摩書房、2007年)】


漢字がつくった東アジア