ここで、「葛藤」(かっとう)という概念についえお話ししておきたいと思います。
この言葉は、日常的にも使われますが、日本語では葛(かずら)と藤(ふじ)がからまっていることから来ています。葛藤というのは、意識の中に○という気持ち、それと相容(あいい)れない△という気持ちがあって、両者が対立したまま並存している状態です。もっと正確に言えば、○という「頭由来の考え」と、△という「心由来の感情」が並存している。だから、スッキリしないで悶々(もんもん)としている。こういう状態を葛藤と言います。
【『「普通がいい」という病』泉谷閑示〈いずみや・かんじ〉(講談社現代新書、2006年)】