弾丸が頭をかすめていく時には、怒ったミツバチがたてるようなブーンという独特の音が聞こえる

 何百ものライフルの発砲音、マシンガンの発射音、バズーカなど重火器の炸裂音が毎晩ずっと聞こえていた。昼になって小康状態が訪れることがあると、外に出て何らかの活動を続けられたが、時には銃撃の的となることもあった。弾丸が頭をかすめていく時には、怒ったミツバチがたてるようなブーンという独特の音が聞こえる。あの音が聞こえる時には、弾丸が一体どれくらいまで来ているのだろうと今でも思う。ある兵士は慰め顔でこう言ってくれた。「そんな音なんて気にすることはないさ。自分に当たるやつは聞こえやしないんだから。」


【『良心の危機 「エホバの証人」組織中枢での葛藤』レイモンド・フランズ/樋口久訳(せせらぎ出版、2001年)】


良心の危機―「エホバの証人」組織中枢での葛藤