古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

権威主義

「権威」とは、特定の分野で技能や知識の格段にすぐれた人が自然に発する光のことである。
 それに対して、「権威主義」は、本来的な権威のない人が、権威あるふりをして無理に光を発しようとしたり、自分自身に権威がない人が、権威者の威を借りて光ではなく圧迫感を発しようとするときに発生する。


【『権威主義の正体』岡本浩一〈おかもと・こういち〉(PHP新書、2005年)以下同】

 権威主義の最大の問題は、最終的にそれが非倫理的な行動や、リスクの高い行動を無理強いすることである。身内の論理と社会の倫理が食い違うとき、身内の病んだ倫理を教条とすることを要求する。そして、個人の良心の発揮を妨げる機能を果たす。


権威主義の正体 PHP新書 330