有力人権団体の全米市民自由連合(ACLU)は30日、米軍や米中央情報局(CIA)が国際テロ組織アルカイダを支持するイスラム指導者アンワル・アウラキ師の殺害を狙っていることについて、憲法や国際法に違反するとして米政府を提訴した。
アウラキ師は米国出身。イエメン潜伏中とされ、昨年12月の米デルタ機爆破未遂事件で起訴された被告に犯行指示を出すなどしている。
ACLUは、無人攻撃機などで戦場から離れた人物の殺害を図るのが憲法などで許容されるのは「具体的で切迫した脅威があるとき」に限定されると指摘。
アウラキ師は米政府に訴追されておらず「適切な司法手続きや、公開された基準なしに(軍などに)殺害権限を与えるのは違憲かつ違法で非米国的だ」とした。アウラキ氏の父に代わって提訴したという。
ロイター通信によると、米司法省は「殺害を伴う作戦を含め、米軍の作戦はすべて法を順守している」と反論した。