したがって、高山病は何世紀も前から知られていた。昔の人にとっては謎の病気であり、神の住む場所だから人間は気が狂うのだとか、山の植物が毒を発散しているせいだとか考えられていた。
【『人間はどこまで耐えられるのか』フランセス・アッシュクロフト/矢羽野薫訳(河出書房新社、2002年/河出文庫、2008年)以下同】
古代ギリシャ人も、オリュンポス山の山頂(標高約2900メートル)では息苦しくなることから、山頂は神々が住むところで人間が足を踏み入れることは許されないのだと信じていた。
(※左が単行本、右が文庫本)