中国人が肉を食べ始めた

 この(ハイエク新自由主義)モデルには大きな前提があるんです。それは経済が持続的にどんどん、どんどん成長していくっていうことなんです。これは結論から言うと無理です。とくに非常に深刻な問題は、中国人が肉を食べ始めたからです。どういうことか言いますと、不思議な法則があって、肉を食べることを覚えると、人間は絶対にその味を捨てることができないんです。人口13億の中国人が肉を食べ始めるようになったということは世界のエネルギーの消費量が今後ぐんぐん、ぐんぐん上がっていくことを意味するんです。これは産業社会じゃないとできない。産業社会というのは資本がどんどん、どんどん膨れ上がっていく傾向がある。これが続くと成長の限界に突き当たり、そこで無理をすると人類が本当に食べていけない時代が来てしまいます。持続的成長は無理だという大前提からスタートしなくてはならない。


【『国家の自縛』佐藤優〈さとう・まさる〉(産経新聞出版、2005年/扶桑社文庫、2010年)】


国家の自縛 国家の自縛 (扶桑社文庫)
(※左が単行本、右が文庫本)