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中国の言論事情−7.28南京爆発事件

【新唐人2010年7月30日付ニュース】7月28日午前10時、江蘇省の南京で爆音がとどろきました。プラスチック工場の移転工事の際、誤ってガス管を切断したためガスが漏れ、爆発を招いたのです。すでに12人が亡くなったと報道されていますが、実際はもっと多いといわれます。
 7月28日、突如起こった爆発は、南京の町を恐怖と混乱に陥れました。最終的な犠牲者の数は、まだ分かりません。
 現場の様子は、凄惨を極めます。丸焦げの死体に血だらけのけが人。燃え上がる炎に立ち上る煙。ショックで目がうつろな民衆など、まるで戦場のようです。
 しかし、もっとショッキングなことがありました。
 地元の江蘇テレビ局が事故の実況中継をしていると、ある官僚が走り寄って来ました。


 官僚:君はどこの局だ?
 記者:中継しているんです
 官僚:君はどこの局だ?
 記者:江蘇テレビ局です
 官僚:江蘇テレビ局か
 官僚:電話番号は? 誰が中継を許した?
 記者:取材しているんです
 官僚:誰が中継を許した?
 記者:中継をやめます


 結局、現場からの中継は中断されたものの、この光景は地元に放送されました。
 この映像がネットで広まると、官僚の言葉「誰が中継を許した?」は流行語になりました。
 例えば、それをアレンジした言葉……「誰が悲しむのを許した?」「誰が書き込みを許した?」「誰が発表を許した?」「誰が評論を許した?」
 官僚に対する答えも出てきました。「人民が中継を許した」
「中国での自由な報道がどれほど困難か、今回の件は如実に表した」との声も出ました。
 しかし30分ほどすると、この動画は多くのサイトから削除されます。南京市のテレビ局は午後、すべて放送内容をCMやドラマに変えました。
 今回の爆発は地元に衝撃を与えました。市民は何よりも正確でタイムリーな情報を望んでいるに違いありません。だからこそ、地元のテレビ局も現場に急行しましたが、官僚のわずかな一言で実況中継が中断されました。


「誰が報道を許した?」。ネットには、この言葉の分析が載りました。これはつまり、メディアの知る権利・取材の権利・発表する権利を奪うもので、結果的に人々と情報とを隔絶するものだ、というのです。
 またこの後、あの官僚の名前や官職名など、個人情報がネットで暴露されました。
新唐人記者がお送りしました。