古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

ビールに適量はない

 ビールの問題は、「きりがない」ことだ。ビールは確かにウイスキーや日本酒に比べればアルコール度数の低い酒だが、逆にいえば、この酒は浴びるほど飲むことによってはじめて酒たり得る酒だ。頭が痛くならないと飲んだような気がしないのだ。ビールに適量はない。飲み足りないか、飲み過ぎるかのどちらかなのだ。


【『安全太郎の夜』小田嶋隆河出書房新社、1991年)】


安全太郎の夜