古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

創造主の出番のない宇宙

 これはまた、神についての書物でもある――ひょっとすると、神の不在についての本かもしれないが。いたるところに神ということばが現われる。宇宙を創造するとき、神にはどんな選択の幅があったのか、というアインシュタインの有名な問いに答えるべく、ホーキングは探究の旅に出た。彼自身、明確に述べているように、彼は神の心を理解しようとくわだてたのである。この努力から導かれた結論は少なくともこれまでのところ、まったく予想外のものだった――空間的に果てがなく、時間的にはじまりも終わりもなく、創造主の出番のない宇宙。(「序」カール・セーガン


【『ホーキング、宇宙を語る ビッグバンからブラックホールまで』スティーヴン・W・ホーキング/林一〈はやし・はじめ〉訳(早川書房、1989年/ハヤカワ文庫、1995年)】


ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF)
(※左が単行本、右が文庫本)