赤いユニフォームのサッカーチームは、ほかの色のユニフォームのチームより勝率が高い。このような研究結果が今月、英国の研究チームによって発表された。
生物学的な反応に関連
英ダラム大学(Durham University)と英プリマス大学(University of Plymouth)の専門家からなる研究チームは、赤いユニフォームを着るイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)、リバプール(Liverpool FC)、アーセナル(Arsenal)の3チームが常に順位表の上位を占めているのは偶然ではないと指摘する。
研究チームによると、赤は自然界で男性的な攻撃性の誇示と関連していることが多く、このような赤という色に深く根ざした生物学的反応により、赤いユニフォームはチームに優位性を与えるのだという。赤い色は(男性ホルモンの1種の)テストステロンが分泌させるきっかけになるため、かつては軍隊の兵士もその効果を利用していたという事実にも言及している。
過去の対戦結果を分析、赤チームが勝つ傾向に
研究チームは、第2次世界大戦以降のイングランドのサッカーリーグの試合結果を分析した。その結果、赤、白、青、黄、オレンジのユニフォームの色別の勝率は、赤チームが最も高く、黄またはオレンジチームが最も低かったという。
プリマス大学のロバート・バートン(Robert Barton)教授によると、これには2つの理由が考えられるという。1つ目は、いつの間にかファンが潜在的に赤いユニフォームに魅力を感じている可能性があること。2つ目は、赤を着ることで心理的にポジティブな後押しがあり、それが試合に反映される可能性があることだという。また、赤いユニフォームのチームと戦うと、戦績が悪くなる可能性もあるという。
なお、分析は第1ユニフォームが着用されるホームでの試合結果を対象に実施した。おもしろいことに色と勝率の間の相関関係は、ホームでの試合のときだけしか当てはまらなかったという。
また近年、多額の外資がサーカー業界につぎ込まれていることの影響について、ラッセル・ヒル(Russell Hill)博士は次のように述べている。「裕福な外国人オーナーの参入により1部のチームの資金力が高まり、ユニフォームの色にかかわらず勝率が上がることは確かにある。にもかかわらず、力が拮抗(きっこう)しているチーム同士の対戦では、赤いユニフォームのチームが優勢になるとみている」
プレミアリーグで赤いユニフォームを着るマンチェスター・ユナイテッド、リバプール、アーセナルの3チームは、欧州チャンピオンズリーグのベスト8入りを決めている。(※記事中のユニホームを全てユニフォームに直した)