古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

ジョエル・ベイカン、マックス・ヴェーバー


 1冊挫折、1冊読了。


 挫折49『ザ・コーポレーション わたしたちの社会は「企業」に支配されている』ジョエル・ベイカン/酒井泰介訳(早川書房、2004年)/動画の足下にも及ばない。っていうか多分、動画の出来がよすぎたのだろう。見事な肩透かし。読みたい人はこちらよりも、河出書房新社から出ているDVDブックにした方がよい。


 90冊目『職業としての学問マックス・ウェーバー/尾高邦雄訳(岩波書店、1936年/岩波文庫、1980年)/巻末のあとがきと序文を先に読むべきだった。講演を編んだもので短かったから何とか読み終えることができた。時代背景を知らないと、牧歌的でのんびりした印象を受ける。1919年に行われた講演である。ヒトラーが政治活動を始めた時期だ。ドイツの世相が不穏な動きに包まれる中で、彼は青年に向かって「日々の仕事に帰れ!」と叱咤した。