きちんとした反社会性と粗暴さ

 実際今の子供たちは、幼児向けの歌番組を通じて物心がつく前からロックのビートに慣れ親しんでしまう。だから、彼らは、ビートを体で理解することができる。
「素晴らしいことじゃないか」
 事実、ある面で、これは素晴らしいことなのかもしれない。が、私としては、子供みたいなものにロックをわかってもらっては困るのである。
 ロックに出会う年齢は、せめて14歳以上であって欲しい。
 でないと、きちんとした反社会性と粗暴さが確保できないからだ。5歳6歳の段階でロックに慣れ親しんでしまったら、その人間にとってロックは、ヤバい音楽でもなければ非行への入口でもない。ただの聴いて愉快なだけの、踊れるビートでしかない。ロックは、そんなものであってはならないのである。


【『仏の顔もサンドバッグ』小田嶋隆JICC出版局、1993年)】


仏の顔もサンドバッグ