日本で初めて告別式をしたのは中江兆民

(1901年12月)17日の葬式は、彼(※中江兆民)の遺言により、一切宗教的儀式を排するために、「告別式」という形で行われた。これが日本における「告別式」の始まりである。然るに、すべてをあいまい化してしまう日本人は、やがて「告別式」のほかにも依然二重の手間をかけて「葬式」は行い、兆民の考えた「告別式」と別の形態のものにしてしまった。
 兆民は墓さえ作らせなかった。


【『人間臨終図巻』山田風太郎徳間書店、1986年)】


人間臨終図巻〈1〉 (徳間文庫) 人間臨終図巻〈2〉 (徳間文庫) 人間臨終図巻〈3〉 (徳間文庫)