「戦争が始まって一年半の間が、人生最悪の時だったわ。私は家から一歩も外へ出られなかった。自分の部屋にさえ危険で入れなかった。私の家ではトイレと廊下が一番安全だったから、そこで一か月も過ごしたの。水も電気もなくって、大切な友人が何人も死んで……。精神的にもほんとうにつらかった」(2年半をサラエボで過ごしたサビナ・タビッチ 17歳)
【『失われた思春期 祖国を追われた子どもたち』堅達京子〈げんだつ・きょうこ〉(径書房、1994年)】
失われた思春期 祖国を追われた子どもたち
「戦争が始まって一年半の間が、人生最悪の時だったわ。私は家から一歩も外へ出られなかった。自分の部屋にさえ危険で入れなかった。私の家ではトイレと廊下が一番安全だったから、そこで一か月も過ごしたの。水も電気もなくって、大切な友人が何人も死んで……。精神的にもほんとうにつらかった」(2年半をサラエボで過ごしたサビナ・タビッチ 17歳)
【『失われた思春期 祖国を追われた子どもたち』堅達京子〈げんだつ・きょうこ〉(径書房、1994年)】