マリカ・ウフキル、戸井十月、J・クリシュナムルティ


 1冊挫折、2冊読了。


 挫折26『砂漠の囚われ人マリカ』マリカ・ウフキル、ミシェル・フィトゥーシ/香川由利子訳(早川書房、2000年)/モロッコの王家へ養女となった少女が政変によって幽閉されるという実話。そこそこ読ませるのだが、最近読んできた手記に比べるとレベルが低すぎる。150ページでやめた。石井みきの装画が素晴らしい。


 55冊目『小野田寛郎の終わらない戦い戸井十月〈とい・じゅうがつ〉(新潮社、2005年)/NHKのドキュメンタリー番組制作から生まれた作品。戸井十月が1年間にわたってインタビューしてきた。読み物としてのインパクトは少々弱いものの、今まで語られなかった周辺情報が盛り込まれている。特に帰国直後からブラジルに渡った件(くだり)のエピソードが心に残った。


 56冊目『自由とは何か』J・クリシュナムルティ/大野純一訳(春秋社、1994年)/クリシュナムルティ財団が発行している「テーマ別作品シリーズ」の一冊。自由と教育こそはクリシュナムルティにとって最大のテーマであった。このシリーズはテキストが短いので大変読みやすい。「何かからの自由は、真の自由ではない」という姿勢に貫かれている。目覚めた人という意味で彼は「ブッダ」と言っていいだろう。クリシュナムルティが敬愛していたのも、実はブッダであった。クリシュナムルティ本はこれで28冊目。